『ブルガリアン・ポリフォニー(1)』

評価【★★★★★】

ブルガリアン・ポリフォニー(1)?JVCワールド・サウンズ

ブルガリアン・ポリフォニー(1)?JVCワールド・サウンズ

民族音楽は幾つかの地域のものを聞いているし、ブルガリア女性合唱は数枚のCDを持っている。付近の女性合唱も直接聞いたことがある。
その中でも、とりわけこのCDはお勧め。

私は、どちらかというと無神論だけど神なる存在が人間にとって重要なのは分かる。つまり信仰しようとする人間の心の震えのようなものは、ずっと昔から宿っていて遺伝子やミームに刻まれているのだと思う。
以前ルーマニアの田舎の村の家に泊めてもらったとき、主人に宗教を聞かれた。私は無神論という言葉も分からず、迷ってから「ブッディストです」と答えた。答えた後に、メモに辞書をひきながら書いた言葉は「信じる神が違っても、神に向かう人間の心は同じだと私は思う」というような意味だった。

神は絶対的な存在で、そして美しい。
この音楽には、それに向かう人間の心の震えがあるように思う。私たち人間は美しくない、けれど生きている、この声を聞いてください、この悲しみを聞いてください、この心の震えを聞いてください。
ノイズや録音経路に気が使われているようだし、何より実際に聞いてとっても綺麗。
感動して涙をこぼしてしまっても、私は知りません。