『銃・病原菌・鉄』

信頼【★★★★☆】
読易【★★★☆☆】
意義【★★★★★】
面白かった文:
また、オークはリスむきではあっても、われわれ人間むきではない p188
接ぎ木というむずかしい技術をマスターできたほどの農民をしてもくじける 忍耐が尽きてしまうほど成長が遅く、三球三振で栽培化に失敗してしまう理由が揃っている。

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

ジョーク文の婉曲さ加減が好き。訳も上手くいっている証拠だろう。
スペインのピサロインカ帝国を挫くことが出来た謎、背景を多岐にわたる分野の考証を交え語る。示唆に富んだ上下巻。
個人的には、ユーラシア大陸は横長・アメリカ大陸は縦長という地政学?的問題から病原菌の問題につながり、それが背景で重大な役割を果たしたという主張が新鮮だ。
同じ位置に居続けたいとしても普段意識しない周りの状況が、確実に私たちをダイナミックに押し流しつづけている。そして蓄積された圧力が、社会のカタルシスを見せつけるかも知れないし、見せないかもしれない。