『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番&第14番&第23番』

持っているのは違うCDなので録音状態や演奏の出来は不明。
曲として
評価【★★★★★】

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番&第14番&第23番

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番&第14番&第23番

自分の身近な人を幸せにしたり、小さくても幸せを分け与えること。それが出来ない人間は、人間的に評価できない。
評価とか価値付けとか、ホントはとっても難しいのだけど。
遠くの人へ、感動を与えたり力を与えられる人が稀にいると思う。なぜそれが出来るのか。限りなく強い個性があるのか、極限まで洗練された技術、伝達意思があるのか。なぜだかは明らかではないけど、――どんな言葉を使えばいいのだろう――そんな人を芸術家として評価する。言葉がかっこいいので「アーティストとして」でもいいのかもしれないけど、少しニュアンスが違う。
少し超越してしまったような天才、芸術家といえばベートーヴェン
エリーゼのために」も有名だし大好きだけど、この第8番「悲愴」第14番「月光」第23番「熱情」もピアノ・ソナタでは有名。特に大学の時には「月光」に嵌った時期があって、ずーっと繰り返し繰り返しこの曲を聴いていた。
ピアノ・ソナタもすごいけど、交響曲も凄い。現在ある交響曲の全ての基礎を出し尽くしたとも言われたりする。
そんなベートーヴェンの音は、時々天才である故か非人間的な響きを感じることがある。次の音の選び方はほとんど常に、驚きを感じさせる(何度聞いても)。けれどなんてところを選ぶんだと心底不安になるくらいの驚きと美しさを持っていることがある。そんな旋律を聞くと、この人はどんな世界に住んでいたんだろうと思ったりもする。
数学の世界には、(未知の)数式を評価するときに「美しさ」という基準がある。例え証明されていなくても、「審美的に適うなら正しい」という道筋があって(直感と言ったりもする)、過去の大数学者たちはその直観力、「審美眼」にすぐれているという言がある。
少し人間らしくないほどの音の響き。そこには、そんな美しさがあって、ベートーヴェンの魅力になっている。


おまけ
時々TVにも映ったりする、ベートーヴェンの家(何回も引っ越しているのだけど)はとても小さかった。そこで買った冊子のちょっとした画像など、後日アップ予定。