『共感覚者の驚くべき日常』

信頼【★★★☆☆】
読易【★★★★☆】
意義【★★★★★】
この本からいくつもの示唆をうけ、私のノートには多くの読書メモが残っている。

共感覚者の驚くべき日常―形を味わう人、色を聴く人

共感覚者の驚くべき日常―形を味わう人、色を聴く人

共感覚者とは「音に色を感じる人、味で触覚が喚起」(例えば、ミント味は「指先にすべすべした円柱を感じる」)されたりする。それが抽象的ではなく、具体的な感覚として感じるものであるらしい。
彼等の一人と出会った神経科医が、脳の考察を絡めつつその謎に迫ってゆく。
ミステリー仕立てが成功し、先へ先へと読ませてくれる。


日々、自分は物事を理性的に判断していると人は思いがちだけれど、実はそれは潜在意識(意識に上る前の感覚・脳機能)で非論理的?に既に決定されているものを、後追い論理でパッケージしているといった指摘も面白い。
会社の会議で、いろいろ説明しながら反対するけど、結局はそんな論理とはべっこのところで既に反対だったり。なんて情景も思い浮かべると頷ける部分がある。
そういう分りやすい部分でなく、もっと深い意味も感じるけど。


でも、潜在意識が行動決定の主要機関だとしたら、表層意思(意識)とはなんだろう。


おまけ
「自由意志は潜在意識の奴隷だ」なんて主張している本も最近あるらしい。
進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線