『憂愁のノクターン』――フジ子・ヘミング
評価【★★★★☆】
- アーティスト: フジ子・ヘミング,ショパン,シューベルト,ブラームス,リスト,ドビュッシー
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2000/08/23
- メディア: CD
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今世紀最大の作曲家・指揮者の一人と言われる、ブルーノ・マデルナにウイーンで才能を認められ、彼のソリストとして契約したことは、フジ子が最も誇りにしていることのひとつである。ちなみに、この契約に際しては、フジ子の演奏に感銘を受けたレナード・バーンスタインからの支持、及び援助があった。
しかし“一流の証”となるはずのリサイタル直前に風邪をこじらせ、聴力を失うというアクシデントに見舞われる。失意の中、ストックホルムに移住。耳の治療の傍ら、音楽学校の教師の資格を得、以後はピアノ教師をしながら、欧州各地でコンサート活動を続ける。
ベートーヴェンもそうだけど、ピアニストや作曲者が聴力を失うというのは辛い。
耳の治療をしながらコンサート活動を続けた、という彼女の永い月日を思ってしまう。
指の衰えというのはやはりあるのだろうと思うけれど、それでも優れたテクニックと才能が感じられる。
音の切り込み、存在感のある強弱や揺らめくゆれ、まとまって押し寄せてくる音、意図的なタイミング、それらがコントロールされながら統一的に情感をもって表現される。
今度コンサートに行ってみたいな。