言葉になる前「露な感覚」

赤い色が何故「赤く」見えるのか教えてください。赤色が波長700nmに対応していることは知っています。そういうことではなくて、私が知りたいのは、700nmの光が、何故、青や緑ではなく、この「赤」という色に見えるのかということです。ずっと疑問に思っているので、納得のいく答えにはできる限りポイントを出します。できれば難しいURLではなく、わかりやすい説明文でお願いします。
この質問、回答3.をさせてもらったのだけどあまりお役に立てなかったかもしれない。
所謂、論考で「語りえないことについては、沈黙しなければならない」という主張がある。
この質問は、そういう意味では「語りえないこと」に属しているかもしれない。
だけれど、私たちはそもそも「語りえないこと」しか「"語ること"ができない」かもしれない(数学的な諸問題と、その応用を除いて)。
                        
だけれど、私たちは沈黙しない。
1. 科学的(物質的)な観点から
1.1. 意識について
なんで自分が意識を持っているのかという疑問は、とても不思議な問題だと思う。
1.1.1. 意識は、いつ生成されるのか?
a)人間の意識は、どのようにして発生するか
(生まれたばかりで「赤」を感じるか)
b)他の生物も含めた「意識」の発生
例えば、とても小さな虫やバクテリアに意識と呼べるものがあるか?とか考えると難しい。
ただ、現在までのAIには意識がないだろうと思う。どの段階かで、遺伝子に意識と言う情報処理システムが導入されたのかもしれない。
1.1.2. 意識は、脳の情報処理の余剰物か必要システムか?
脳の処理構造に、
a)特定のスポット処理が行われて、"たまたま"意識ができているのか
b)それとも意識やアイデンティティがその処理系に不可欠なものなのか
はたまた
c)生存競争上有利なため、意図的に用意されたものなのか
たぶん(a)ではないと思うけど。
なにしろ例えば「虹」の処理をするためには、感知できる情報すべてを処理するより適当に情報を取捨して扱った方が、情報の取り扱い上(内部処理でも外部処理でも)有用性が上がると思われるし。
でも、抽象化処理の積み上げで意識が必要とされるかは、感覚的にも分からないなー。また、そのうち考えてみよう。
1.2. 脳について
1.2.1. 先天的(遺伝的)獲得と後天的(学習等)獲得
a)後天的な変化
こういうのは、脳の研究から後天的に変化があることは予想できる。
縞模様のフィルタでものを認識させると横の模様しか認識度がなくなるとか、言葉とか音とかその類の示唆をするテストが結構ある。
逆に失われた能力が、構造的に隣り合う部位や他の能力によって補われたりもする。
b)先天的な用意
色を認識する構造が、遺伝的に組み込まれているか否かということ。
特定の色を見せて脳の活性を観察するテストを繰り返せば、位置の特定などはできるかも。
でも、どうだろ。わからないな。
能力的には、準備されているわけだけど。
例えば(嫌な考察かもしれないけど)幾つかの端子がついた電極などを"適切に"脳に差し込んだら、新しい感覚(色)が得られるか?という疑問もあるな。下のリンクの例では、上手くいってないようだけど。
視覚神経につなげることは既に行われていて、結構前から成功実績もある。
http://www3.fed.or.jp/salon/bio/bio08_yagi.pdf人工眼の実用化に向けて
1.2.2. 部位の特定
先ほどちょっと触れだけれども、「活性を観察するテスト」を行うと大まかな位置を特定できるかもしれない。あるいはそれでもって、「あんたの赤とわたしの赤は全然違う。脳の部位が全然違うところで感じている」ってことも言えたりするのかもしれない。
まあ、それほど局部的・限定的に指し示すことができるかは疑問だけど。<つづく>
言語学共感覚脳と意思 - masasanの日記
的なアプローチで…