空にぽっかりとあいた穴


ちょうど1年前、自分は北アルプスの北穂高のテント場にいた。
その日、西穂高のテント場から歩いてきていた(fotolife)。


それまで、まだどこか自分の体力の回復具合に自信が持てていなかった。
どこまで追い込んでも問題ないのかの加減がつかめないのだ。


精神的にも体力的にも酷使しきろうとしていたときに見た景色がこれだった。
白いうろこ雲が中心を取り巻く渦のように空に描かれている。
遠くの方に、ぽっかりと地上と空のあいだに雲の穴が開いていて、空から差し込む巨大な光筋が穴と共に近づいてきていた。
きっと、これは高気圧だかなんだろう。
歩きながら思う。そして時々振り返る。
手前のぼんやりした雲の雰囲気より、光筋が差し込む雲が遠くなのにやけに仔細な光の陰影をつけている。


ふと、美しいなと思う。